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Linuxにのめり込み独学で習熟、それでもLPIC資格を取得したわけと合格までの学習方法【前編】

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2016/12/12 08:00

 LPIC(Linux Professional Institute Certification)は「製品メーカーや配布元企業に全く依存せず、常に中立公正な立場で、Linux技術力を評価」(運営団体LPI-Japanの説明より)する資格で、その人気は日本国内でトップクラスです。本稿ではLPICの最上位資格レベル3まで取得した、株式会社クレスコ プラットフォームソリューション事業部の早坂一王さんに、取得の動機やメリット、合格までの学習方法を前後編で語っていただきます。今回はその前編として、早坂さんがLPIC取得を周囲に勧める理由などをご紹介くださいます。(編集部)

Linuxとの出会い

はじめまして。株式会社クレスコでITビジネススペシャリストをしている早坂といいます。最初に、私がどのようにLinuxと出会ったかをお話しします。

私が初めてPCを触ったのは1997年。大学入学後のことでした。それまではコンピュータといってもファミコンなどのゲーム機ぐらいしか触ったことがなく、PCについては右も左も分からない状態でした。PCを触るようになってからも、誰かに教わりながらきちんと学習したということはありません。当時はまだインターネットも十分に普及しておらず、唯一の情報源はPC雑誌[1]。その記事を見ながら真似てみる、あるいは新しいソフトを試してみるなど、手当たり次第にいろんなことをやってみて、体でコンピュータというものを覚えていきました。

でたらめなようですが、私がそれしか学ぶ方法を知りませんでした。そのため、うまくいかないことも多く、初期化してやり直すこともしょっちゅうでした。

自宅でPCを触る以外に、大学で情報系の学科に所属していた私は、授業でUNIXを触っていました。4年生になると、研究室で毎日のようにUNIXを触るようになります。確か、サン・マイクロシステムズ製の「SunOS」というUNIXだったと思います。ただし、毎日使っていたにもかかわらず、私はUNIXというものをよく分かっていませんでした。一方で、「UNIXを使いこなしたい!」という漠然とした思いだけはありました。キーボードを素早く叩きながら難しいコマンドを簡単そうに実行していく、いわゆるハッカーに憧れていたのでしょう。

問題は、自分が自由に使えるUNIXが持てなかったことでした。当時UNIXは高価で、自宅で簡単に使えるようなものではなかったのです。

そうして社会人になったころ、Linuxという、UNIXのようなOSがインターネット上で配布されていることを知りました。しかも無料で、PCにインストールして使えるといいます。これは使うしかないと思い、すぐに手を出しました。「これでサーバーを立てて情報発信をしたら、なんかすごいし、かっこいいじゃないか!」と、やや不純な気持ちもありましたが、そこから一気にLinuxにのめり込んでいきました。

[1]: 初めて買ったPC雑誌は『PCfan』(現:マイナビ出版 刊)でした。

LPICの3つの特徴

最初、Linuxはあくまで趣味という感覚でした。ところが、Linuxを学んでいく中で「この知識はいずれ仕事に役立つのではないか」と思うようになりました。そんな漠然とした思いを確信に近づけたのは、LPICの存在です。LPICを取得することで、Linuxのスキルを客観的に証明できるのではないかと。

……と書くともっともらしいのですが、当時はLPICを取得することに明確で高尚な理由は持っていませんでした。自分がやっていることを正当化するのに、たまたま知ったLPICが非常にマッチしていた、というだけだったと思います。

ただし今は、他の資格ではなくLPICを選ぶことのメリットや理由に確信を持っています。それは、LPICが次のような3つの特徴を備えているからです。

実践的である
受験のために学習した内容がそのまま現場で役に立ちやすく、無駄になりにくいです。つまり、資格保有しているということは、実務経験に近いスキルを保有しているともいえます。
汎用的である
IT業界は分業化・専業化が進んでいるせいか、IT資格にも特定の製品に特化しているものが少なくありません。それはそれで意味がありますし、範囲が狭い分、認定する知識を深いレベルにすることができます。一方、LPICはLinuxの汎用的な知識を認定します。試験で想定しているディストリビューション[2]はありますが、特定製品に依存してはいません。どのディストリビューションを使うのであっても、LPIC取得のために身につけた知識は有効です。
オープンである
オープンソースの申し子ともいえる(と私はそう思っているのですが)Linuxを扱う資格・試験なのですから、学習環境もオープンであるべきですし、実際にそうなっています。Linuxは無料で入手できますし、学習教材として各種「標準教科書」がLPICの運営団体であるLPI-JapanのWebサイトで配布されています。

[2]: Linuxの配布パッケージのこと。Linuxとは狭義には「OSの中核機能を提供するプログラム」だけを指します。このプログラムのことを「カーネル」と呼びます。しかし、実際にPCにインストールして使用する場合、カーネルだけでは何もできません。各種のアプリケーションや、アプリケーションが利用する共通プログラム(ライブラリ)もインストールします。それらのソフトウェア一式をまとめたものがディストリビューションです。Linuxのディストリビューションには、Ubuntu、Red Hat Linux、Cent OS、Fedora、Debianなどがあります。


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著者プロフィール

  • 早坂 一王(ハヤサカ イツキ)

    株式会社クレスコ プラットフォームソリューション事業部に所属。ITビジネススペシャリストとして、Linux/UNIXを用いたシステム設計~開発~運用を担当。現在は、現場業務を行う傍ら、所属部署のLPIC取得推進活動にも携わっている。

    【主要資格】
    LPICレベル1、LPICレベル2、LPICレベル3、OSS-DB Silver、情報処理試験 テクニカルエンジニア(ネットワーク)、情報処理試験 情報セキュリティスペシャリスト

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