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ピアソンVUE、「IT認定資格試験に関する調査結果報告書」の日本版を公開、人気を集めたのはやはりあの資格・技術領域

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 ピアソンVUEは、2015年8月3日から9月14日にグローバルで実施した「IT認定資格試験に関する調査結果」の報告書の日本版を8月24日に公開した。グローバル版の同報告書は今年3月に公開されていたが、今回、日本国内に絞って同様の報告書をまとめた。報告書の中では、日本国内で人気を集めているIT資格とその技術領域が明らかにされている。

 ピアソンVUEによれば、IT試験を受験した日本人1,968名からの回答のうち、約60%がトレーニング費用を、約70%の人が試験費用を「勤務先に負担してもらっている」と回答。また、半数以上 (58%) の人が「資格を取得したことでプロフェッショナルとしてのイメージ・評判にプラスの効果があった」と回答した。この結果から、日本のIT企業の多くは従業員の資格取得のためのトレーニングと受験費用に投資をしていること、認定資格を取得した従業員は資格取得によって何らかのメリットを享受していることが明らかになったとした。

 ピアソンVUE JAPANの代表である池田 哲氏は、調査結果について次のように述べている。

「従業員のさらなる認定資格の取得は、従業員のキャリアに活力を与え、生産性や効率性の観点から、企業にとってもプラス効果を与えていると多くの日本企業が考えていることが分かった。、受験者の多くは、トレーニングや資格取得の効果を即座に感じていることが読み取れる。その意味では、80%の人が、1年以内にさらなる資格取得を考えているのは当然のことと言えるだろう。企業にとって有用な人材であり続けるためには、職務に関連したトレーニングの受講や資格試験の取得といった投資をしていくことが、グローバルなIT業界において必要不可欠と考えられている」(池田氏)

調査結果:日本とグローバルとの違いも明らかに

 なお、今年3月にリリースされたグローバル版と、今回リリースされた日本版と比較してみると、世界と日本国内とで大きく違うところと、ほぼ違わないところが見えておもしろい。

 大きく異なるのは、回答者が働いている業種である。日本人の回答では82.2%が「IT」と回答しているのに対し、グローバルで「IT」と回答したのは59.0%にとどまる。グローバルでIT以外の職種を回答する人が多いのは、日本に比べ、ユーザー企業・団体に勤務するITエンジニアが多いからかと推測される。また、「職位」についても、グローバルの回答者で最も多いのは「Analyst/Associate」(29.4%)である一方、日本では「一般社員」が圧倒的に多い(65.0%)。一般社員はグローバルでいうと「Entry-level」に該当すると思われるが、こちらは11.8%しかいない。グローバルの「Prefer not to answer/Did not answer」(回答しない/無回答)の一部も一般社員に含まれるのかもしれないが、グローバルでは何かしらの職位を個人が明確に意識している様子がうかがえる結果だ。

 受講したトレーニングについては「1位:Microsoft、2位:Cisco、3位:VMware」というトップ3は日本もグローバルも同じ。どの職種に対応したトレーニングであったかも順位に若干違いはあれ、「サーバ、仮想化、クラウド、ネットワーク構築、ネットワーク管理、セキュリティ」という顔ぶれは変わらない。受講比率もだいたい同じだが、セキュリティに関してはグローバルは21%、日本は11.4%と倍の開きがある(過去12か月間に受験した試験についても同様)。

 トレーニングの受講費用と認定試験の受験費用を誰が負担したかについては、大きな差はない。グローバルでもやはり所属する企業・団体の負担が過半で、個人負担である比率が日本より少し高い程度だ。一方で、自習用教材の利用と購入では開きが出た。

調査範囲 自習用教材の費用負担 自習用教材の利用有無
日本 自分   :82.4%
企業・団体:16.5%
利用した:75%
利用せず:25%
グローバル 自分   :51%
企業・団体:29%
利用した:89%
利用せず:11%

 グローバルでは、自習用教材を自分で購入する比率が日本に比べてかなり低い。実は、グローバルでは教育機関(高校・大学等)やIT資格試験の認定団体といった所属企業・団体以外が負担している比率が日本の20倍に及んでいる(グローバル:20%、日本:1.1%)。もちろん、国によってかなり差があると思うが、世界的にはITエンジニアの育成を周りから支援する傾向が日本より高いといえる。

 認定資格取得の効果についても、大きな大きな違いが浮き彫りとなっている。「IT業界への転職に役立った」と回答した人の比率が、日本の7%に対して、グローバルでは26%にもなっている。昇進にもグローバルでは効果があるらしい。IT業界に入るのに資格が役に立ったと感じる人が日本で少ないのは、採用企業・団体で資格を評価していない、あるいは資格がなくても入社できるからだろうか。

選択肢(複数回答可) 日本 グローバル
IT業界への転職に役立った 7% 26%
昇給に役立った 15% 19%
就職に役立った 6% 17%
昇進に役立った 7% 14%
何の役にも立っていない 17% 12%
その他 7% 8%
プロフェッショナルとしての
イメージ・評判にプラスの
効果があった
65% 65%

 就職・転職や人事評価ではなく、スキルアップという面での効果としては、「効率的に仕事ができるようになった (時間やコスト管理等)」や「複雑なタスクを自信を持って実行できるようになった」と回答した日本人は3割近くに上った。グローバルでは「複雑なタスクを自信を持って実行できるようになった」と回答した人が37%と多い。資格取得の効果として実感されるのは、就職・転職や人事評価ではなくスキルアップのほうだといえるだろう。

業務上感じた効果(複数回答可) 日本 グローバル
効率的に仕事ができるようになった(時間やコスト管理等) 29.3% 22%
複雑なタスクを自信を持って実行できるようになった 27.3% 37%
業績評価における成績が向上した 26.4% 21%
マネジメント系の責務を担えるようになった 3.8% 8%
その他 13.2% 12%

 その他、今後受講したいトレーニングや、取得を考えている資格などについても調査結果報告書にまとめられている。日本版だけでも参考になるが、質問項目が同じで比較も容易なので、グローバル版の調査結果報告書もぜひ一読されたい。

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