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はじめてのTCP/IP その1 ~ 4つの階層とインターネット層のプロトコル

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Gene[著]
2015/12/21 15:00

 シスコシステムズの認定資格「CCENT」の合格に向け、ゼロからネットワークの学習を始めるという方のための連載第2回です。今回は、コンピュータネットワークの根幹を支えている技術であり、コンピュータネットワークの代名詞にもなっている「TCP/IP」の解説その1回目です。ケータイやスマホの話に出てくる「パケット」という言葉、みなさんも聞いたことがありますよね。今回はその「パケット」も登場します。TCP/IPは意外に身近なのです。

TCP/IP

一言でいうと

コンピュータネットワークの共通言語。

CCENT試験でのポイント

  • OSI参照モデルとTCP/IPの階層の対応付けを把握しておきましょう
  • 代表的なプロトコルの特徴と仕組みを説明できるようにしましょう。

TCP/IPとは

TCP/IPとは、コンピュータ同士がネットワークを介して通信する際に利用するネットワークアーキテクチャ[1]の1つです。

PCやサーバから、スマートフォン/タブレット、そしてTVやゲーム機などの家電製品に至るまで、さまざまな機械がTCP/IPを利用して通信を行っています。以前には、TCP/IP以外にもNovell IPX/SPXやApple AppleTalk、Microsoft NETBEUIといったネットワークアーキテクチャが利用されていましたが、現在利用されているのはTCP/IPのみといっても過言ではありません。TCP/IPは、いわばコンピュータネットワークの共通言語なのです。

図1:TCP/IPの概要
図1:TCP/IPの概要

TCP/IPも、前回説明した「OSI参照モデル」と同様に、ネットワーク上の通信の仕組みを階層で考えています。ただ、OSI参照モデルよりも階層はシンプル[2]で、以下の4階層としています。

  • アプリケーション層
  • トランスポート層
  • インターネット層
  • ネットワークインタフェース層

階層は、アプリケーション層が一番上、ネットワークインタフェース層が一番下です。ここでは一番下のネットワークインタフェース層から順に、各階層の役割を解説します。

[1]: コンピュータ同士が通信するときの「言語」に相当するもの。

[2]: OSI参照モデルは階層の下から、物理層、データリンク層、ネットワーク層、トランスポート層、セッション層、プレゼンテーション層、アプリケーション層の7階層です。

TCP/IPの4つの階層

ネットワークインタフェース層

TCP/IPのネットワークインタフェース層は、OSI参照モデルの物理層とデータリンク層に相当します。役割も、OSI参照モデルの物理層とデータリンク層を合わせたものです。

  • データを物理的な信号に変換して伝える(OSI参照モデルの物理層(レイヤ1)に相当)
  • 同一ネットワーク内でデータの転送を行う(OSI参照モデルのデータリンク層(レイヤ2)に相当)

ネットワークインタフェース層のプロトコル[3]には、イーサネット[4]や無線LAN(IEEE802.11)、PPPなどがあります。TCP/IPではネットワークインタフェース層のプロトコルを特に限定しておらず、たとえば、ネットワークインタフェース層のプロトコルとして、10Gビットイーサネットを利用しているサーバと、無線LANを利用しているスマートフォンとの間でも通信できます。

次の図は、ネットワークインタフェース層のプロトコルとしてイーサネットを利用している例です。2台のPCが、1台のレイヤ2スイッチを介して通信を行っています[5]。同一ネットワーク内にあるこれらの機器の間では、データをイーサネットフレームという単位に切り分けて送受信されます(OSI参照モデルのデータリンク層(レイヤ2)に相当する役割)。また、機器の間では、イーサネットフレーム単位で切り分けられた「0」「1」のデジタルデータを、電気信号などの物理信号に変換し、ケーブルの中を通したり無線電波で飛ばしたりして通信が行われます(OSI参照モデルの物理層(レイヤ1)に相当する役割)。

図2:TCP/IP ネットワークインタフェース層の役割
図2:TCP/IP ネットワークインタフェース層の役割

[3]: コンピュータネットワークを実現するためのルールのこと。コンピュータ同士がやり取りするデータのフォーマット(形)や送受信するときの手順、エラー時の処理などのプロトコルがあります。

[4]: イーサネットは、一般的なLANポートで利用しています。PCなどのLANポートはイーサネットのプロトコル(規格)に基づいています。イーサネットには、利用するケーブルや最大の速度などによって、いろんな種類があります。

[5]: スイッチは、データの転送先となっている機器へ通信を振り分ける装置。レイヤ2スイッチでは、電気信号をいったん「0」「1」のデジタルデータに変換してから転送先を判断します。その後、レイヤ2スイッチでデジタルデータを再度、電気信号に変換して転送します。


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著者プロフィール

  • Gene(ジーン)

    2000年よりメールマガジン、Webサイト「ネットワークのおべんきょしませんか?」を開設。「ネットワーク技術をわかりやすく解説する」ことを目標に日々更新を続ける。2003年にCCIE Routing and Switchingを取得。2003年8月に独立し、ネットワーク技術に関するフリーのインストラクター、テクニカルライターとして活動中。

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