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ソースからのインストールと「Red Hat系」パッケージ管理ツールを使ったインストール

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 本連載では、LPICレベル1学習のポイントを、全10回で解説していきます。第2回となる今回は「Linuxにソフトウェアをインストールする」作業に必要なコマンドを解説します。LPICレベル2になると、インストールするソフトウェアの設定方法や設定ファイルに関して問われることが多くなるのですが、レベル1では主に「インストール時に使用するコマンド」が問われます。本連載ではLinuxディストリビューションの2大系統である「Red Hat系」と「Debian系」のインストール方法を解説します。それらのうち、今回はRed Hat系Linuxディストリビューションのインストール方法を解説します。

インストールの種類

まず、インストール方法には大きく2種類あることを押さえましょう。

  • 方法1:ソースからインストールする
  • 方法2:パッケージ管理ツールを使用してインストールする

用語確認

ソース
ソフトウェアを実装するスクリプト(プログラム)が、読み取れる形式になっている状態のことをソース、ソースが書かれているファイルをソースファイルといいます。このソースをコンパイルし、バイナリ形式にした状態を所定のディレクトリに配置することが、ソフトウェアのインストールといえます。
パッケージ
ソフトウェアのインストールに必要なファイルを1つにまとめたものをパッケージといいます。多くのディストリビューションでは、インストールできるパッケージ形式が決まっています。また、パッケージのインストールにはパッケージ管理ツールを使用します。
パッケージ管理ツール
パッケージをインストール/アンインストールする際に使用するツールです。インストール時に、パッケージ同士の依存性[1]をチェックしてくれるツールもあります。パッケージ管理ツールは、1つのパッケージ形式に1つだけというわけではありません。今回は、LPICで問われるパッケージ管理ツールについて見ていきます。

1つ目の「ソースからインストールする」方法では、ディストリビューションによる差異はありません。一方、2つ目の「パッケージ管理ツールを使用してインストールする」方法では、ディストリビューションによって使用するコマンドが違います。ディストリビューションごとにパッケージ管理ツールが異なるためです。

LPICで登場するパッケージ管理ツールは次のとおりです。

  • Red Hat系:RPM、YUM
  • debian系:dpkg、APT

今回は、Red Hat系のパッケージ管理ツール(RPM、YUM)のコマンドを使って、Linuxでのソフトウェアインストールを解説していきます。

[1]: あるパッケージでインストールしたソフトウェアが動作するのに、他のパッケージでインストールされるソフトウェアが必要な(依存している)場合があります。そうしたパッケージ間の関係のことを「依存性」といいます。

方法1:ソースからインストールする

本稿では、「CUPS」という印刷システムパッケージをインストールしてみます。CUPSはプリンタを管理するソフトウェアで、Linuxで印刷を行う際に使用します。CUPS自体には深く触れませんが、CUPSはLPIC 102試験の出題範囲に含まれているので、CUPSをインストールしたら、設定ファイルなどもしっかりと確認しておくと一石二鳥でしょう。

それでは、CUPSをソースからインストールしていきましょう。まず、WebサイトからCUPSのソースをダウンロードします。

CUPSのソースのダウンロードページ

ダウンロードするコマンドは次のとおりです。今回はバージョン2.1.0を選択しました。

# cd /usr/local/src
# wget https://www.cups.org/software/2.1.0/cups-2.1.0-source.tar.bz2 
# ls
cups-2.1.0-source.tar.bz2

ソースをダウンロードできたら、次にダウンロードしたファイルを解凍・展開です。

# tar xvfj cups-2.1.0-source.tar.bz2

tarコマンドも、LPICレベル1で問われるので覚えておきましょう。アーカイブを作成したり、逆に解凍・展開したりする際に使用します。展開すると「cups-2.1.0」というディレクトリができあがるので、そこに移動します。

# cd cups-2.1.0/

lsコマンドなどで中を見てみるとわかりますが、configureというスクリプトがあります。configureスクリプトは、コンパイルが成功するようOSの環境をチェックし、コンパイルに必要な「Makefile」というファイルを生成する役割を担っています。また、インストールディレクトリや、追加モジュールの有効/無効なども、オプションで指定することができます。

このconfigureスクリプトを以下のように実行しましょう。prefixオプションで、インストールするディレクトリを/usr/local/cupsディレクトリに指定しています。

# ./configure --prefix=/usr/local/cups

configureの実行が成功し、Makefileができあがったら、次にコンパイルとインストールを実行します。

# make
# make install

インストールが完了したら、configureprefixオプションで指定した/usr/local/cupsディレクトリをのぞいてみましょう。

# cd /usr/local/cups
# ls
bin/     etc/     include/ lib/     lib64/   sbin/    share/   var/ 

CUPSのスクリプトや設定ファイルが格納されていることがわかります。ここまでがソースからインストールする手順です。この流れはほとんどのソースからインストールする手順で共通です。まとめておきましょう。

ソースからインストールする手順まとめ

  • 手順1.アーカイブ化されたソースをダウンロード(wgetコマンド)
  • 手順2.アーカイブを解凍、展開(tarコマンド)
  • 手順3.展開されたファイルのconfigureスクリプトを実行
  • 手順4.コンパイル(makeコマンド)
  • 手順5.インストール(make installコマンド)

結構手順が多いですよね。面倒だと感じるかもしれません。しかし、特定のバージョンのインストールや様々なオプションの指定など、細かい指定が必要な場合には、このインストール方法が適しています。

一方、パッケージ管理ツールを使用してインストールする方法は、これよりかなりシンプルです。ただし、インストールの設定を細かくは指定できません。


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