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マイクロソフトの認定資格制度「MCP」の資格体系を整理してみた

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 マイクロソフトの認定資格制度「MCP」は、開発者やシステム管理者にとって身近な資格の1つです。しかし、1つの資格を取得するのに複数の試験に合格する必要があるなど、資格と試験の対応を理解するのが難しいところがあります。本稿では、MCPの制度体系を整理し理解し直してみようと思います。

最新情報をご覧ください

本稿は、2016年9月に実施されたMCP資格体系改定より前の情報をもとに作成されています。新しい記事「マイクロソフト認定資格 マイクロソフト認定プロフェッショナル(MCP)とは」にて、現在の資格体系をもととする最新情報をご覧ください。

そもそもMCPとは

MCPの正式名称は「マイクロソフト認定プロフェッショナル」といいます。MCPとはどのような資格であるかについて、日本マイクロソフトのWebサイトでは、次のように説明がなされています。

「マイクロソフト認定プロフェッショナル (MCP) とは、業界で評価および認知されている厳正な試験により、IT プロフェッショナルとデベロッパーの技術的な専門知識を検証する資格です。MCP 試験では、マイクロソフトの製品、テクノロジ、およびソリューションについて幅広く取り扱います。」

ITプロフェッショナルには、サーバーやエンドユーザーのデスクトップ、データベースなどを管理するエンジニアのほか、CRM(顧客管理)システムの管理者なども含まれます。

マイクロソフト認定プロフェッショナル (MCP) のWebサイト
マイクロソフト認定プロフェッショナル (MCP) のWebサイト

一方で、WordやExcelなどのOffice製品やWindows(デスクトップ)を使う技能はMCPの認定範囲ではありません(「マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)」という別の資格があります)。

また、プロフェッショナルレベルのスキルを認定するMCPとは別に、エントリーレベルの管理者/開発者スキルを認定する資格として「MTA(マイクロソフト テクノロジ アソシエイト)」という資格もあります。こちらは、MCPへ進むための足がかり、あるいはITエンジニアとしての基礎固めとなる資格といえるでしょう。

5つのカテゴリと4つのレベル

日本マイクロソフトのWebページ「認定の概要」には、次の5つがMCP資格のカテゴリとして示されています。

  1. サーバー
    • Windows Server
    • Exchange Server
    • Lync
    • SharePoint
    • Microsoft Azure
  2. デスクトップ
    • Windows
    • デバイス
  3. アプリケーション
    • Office
    • Office 365
    • Microsoft Dynamics
  4. データベース
    • SQL Server
  5. デベロッパー
    • Visual Studio
    • SharePointアプリケーション
    • Microsoft Azure

一方で、これらのMCP資格は次のようなレベル分けがされています。

マイクロソフト認定ソリューション アソシエイト(MCSA)
持続可能なITキャリアを構築するための主要な技術スキルを身に付けていることを証明する資格。
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マイクロソフト認定ソリューション エキスパート(MCSE)
内部設置型とクラウドの両方で、複数のテクノロジにわたるソリューションを構築する能力を証明する資格。
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マイクロソフト認定ソリューション デベロッパー(MCSD)
内部設置型とクラウドの両方で、複数のテクノロジにわたるソリューションを構築する能力を証明する資格。
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マイクロソフト スペシャリスト
特定の専門分野またはテクノロジにおける経験および知識を証明する資格。

MCSAはMCPの下位資格で、「持続可能なITキャリアを構築するための主要な技術スキルを身に付けていることを証明」する資格とされています。また、MSCAの保持は、MCPの上位資格であるMCSEやMCSDを取得するための前提条件になっています。たとえば、「MCSE: Server Infrastructure」資格を取得するには、「MCSA: Windows Server 2012」の取得が必要です。

マイクロソフト スペシャリストはMCSA/MCSE/MCSDとは独立しており、取得の条件にもなっていません。

MCSA/MCSE/MCSDに、MTAを加えて資格の階層構造を示したのが次の図です。MSCAの下位にMTAがありますが、MTAの取得がMCSA取得の条件になっているわけではありません。

MCSA/MCSE/MCSDにMTAを加えた資格の階層構造
MCSA/MCSE/MCSDにMTAを加えた資格の階層構造

資格と試験との対応

さて、次は資格の取得と合格が必要な試験との対応です。

先ほど「MCSE: Server Infrastructure」資格を取得するには、「MCSA: Windows Server 2012」資格の取得が必要と説明しましたが、正確にいうと次のとおりです。

「MCSE: Server Infrastructure」資格の取得には、

  • Installing and Configuring Windows Server 2012(試験番号:70-410)
  • Administering Windows Server 2012(試験番号:70-411)
  • Configuring Advanced Windows Server 2012 Services(試験番号:70412)

の合格が前提条件として必要で、その上で、

  • Designing and Implementing a Server Infrastructure(試験番号:70-413)
  • Implementing an Advanced Server Infrastructure(試験番号:70-414)

に合格する必要があります。

ここで、合格が前提条件とした3つの試験に合格すると、MCSA: Windows Server 2012資格を取得できます。そのため、MCSE: Server Infrastructure資格を取得するにはMCSA: Windows Server 2012資格の取得が必要、といえるわけです。

また、MCSA: Windows Server 2012資格の取得には、70-410試験+70-411試験+70-412試験と3つの試験に合格しなければなりませんし、MCSE: Server Infrastructure資格の取得には、70-413試験+70-414試験に合格する必要があります。1つの資格を取得するのに、マイクロソフト以外の資格では1つの試験(多くて2つ)の合格が条件になるケースが多いので、MCPの体系は例外的といえるかもしれません。

資格の数が多いので、資格と試験との対応をここですべて示すことはできませんが、カテゴリとレベル分けを踏まえて、各資格の取得に必要な試験を見ていくことで、MCPの制度体系をすっきり理解できると思います。



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著者プロフィール

  • 市古 明典(資格Zine編集長)(イチゴ アキノリ)

    うさぎ化してますが、1972年の子年生まれ。宝飾店の売り子、辞書専門編集プロダクションの編集者(兼MS Access担当)を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。資格学習書と開発者向けWebメディア両方の経験を活かして、ITエンジニアのスキルアップを支援できればと思い「資格Zine」を立ち上げた。なお、9月から翌年2月まではNFL観戦のため、常時寝不足。

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