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DevOpsのツール「Chef」は使い方(ノウハウ)以上に、なぜ使うかの理解(ノウホワイ)が重要です

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Chefに挑戦! だが、さっそくやらかす

 さて、ある程度基礎概念や知識の解説が終わると、実習へと突入する。受講者にはVirtualBox上にLinuxサーバーが4台(CentOSやUbuntuなど混在)がインストールされたPC1台と、Windowsサーバー1台がそれぞれ割り当てられる。研修中はこれらに対して構成変更をかけたり、その構成情報のスクリプトを改良したりする。

 まずはVirtualBoxにログイン。市古編集長が指示に従いログインをしてみると……、どうも様子がおかしいようだ。萬先生が心配してのぞき、設定を調べてみると「あれ? おかしいな。設定が戻りすぎている(想定以上に初期化されている)」と焦りの色が。どうやら準備していた状態と異なるらしい。2人の頭上に「?」マークが浮かび、萬先生がいくつかのコマンドで環境をチェックすると……。

「わかった! これ、違う仮想マシンです!」(萬先生)

 なんと。市古編集長、体験実習のための仮想マシンではない仮想マシンにログインしてしまっていた。引越業者が無関係な部屋の扉を開けて荷物を搬入しようとしたというイメージだろうか。このまま操作していたら、違う仮想マシンの構成を変更してしまうところだった(どれも研修コース用の環境ではあるものの)。あぶない、あぶない。

 ログインしなおして実習再開。まずはVirtualBoxにあるCentOSに構築済みのChef Zeroを操作するところから始める。準備運動というところだろうか。Apache HTTP Serverのソフトウェアパッケージのインストールし、ブラウザからWebサーバーにアクセスしてWebページが開くことを確認する。

ブラウザからWebサーバー(Apache HTTP Server)にアクセスしてWebページが開くことを確認
ブラウザからWebサーバー(Apache HTTP Server)にアクセスしてWebページが開くことを確認

 萬先生は「Chefを使用している現場では、インストールを何度も行うことはないでしょう。それよりも頻度が高いのは構成情報のコードを修正することです。そのため、コードの書き方を習得することが大事です」と話す。コードはスクラッチ(白紙の状態)から書くとハードルが高い。既存のサンプルを最初のとっかかりとするのがよい。萬先生のおすすめは、Chefのコミュニティで公開されているCookbookをダウンロードして流用すること。ただし、「レシピによっては他のレシピと依存関係があるので、そこは注意してください」とのこと。例えば、「このレシピを実施するには別のレシピを実行してから」などだ。今はレシピが充実しており、メジャーなソフトウェア向けのものなら、ほぼそろっているという。

あぶない橋を切り抜けて実習再開。Apache HTTP Serverをインストールする
あぶない橋を切り抜けて実習再開。Apache HTTP Serverをインストールする

Chefを使いこなすためのポイントも教えていただいた

 次に、市古編集長はChef ServerのインストールとWindows ServerにIIS(WindowsのHTTPサーバー)を構成する実習にも挑戦してみた。ただし、Chef Serverのインストールは時間がかかるため、萬先生が「先に実施しておきました」とにっこり。まるで料理番組で一通り解説した後に、「そして3時間煮込んだのがこちらです」と別のお鍋が出てくるような感じ。なんという手際の良さ。

 受講者用PCのPowerShellを起動してノードに接続すると、次はChef Clientのインストール、ノード登録、レシピ適用まで一気に実施するbootstrapコマンドを入力する。けっこう長い。市古編集長が注意深く入力して[Enter]キーを押す。

 処理待ちの間に萬先生がChefの利点を話す。「Chefを使わなくても、慣れた人なら手動も可能です。ただし、構築する台数が多く、ルーチン作業のように繰り返していると、やはり人間ですからたまにミスをしてしまいます。それも手動だと気づかないものです。しかし、スクリプトで事前に設定していればミスを防止できますし、どのようなコマンドを実行したのか後で確認することができるのです」

 話が一通り終わり、PCを見るとまだ実行中。しばしの間、二人の間に緊張が走る。しかし、間もなく一連のスクリプトが終了したことが画面に示される。確認としてブラウザからWebサーバーにアクセスして、デフォルトのWebページ(hello world)が表示されるか試してみる。

デフォルトのWebページ(hello world)が無事表示された
デフォルトのWebページ(hello world)が無事表示された

 「やったー!」と、誰よりもうれしそうにガッツポーズしたのは萬先生だった。

*    *    *

 一通りの体験を終えた後、萬先生にChefを使いこなすためのポイントをうかがったところ、「運用業務のどこを自動化するのか、その勘所をつかむこと」と教えてくれた。また、「ビジネスで何をしたいのかをきちんと把握することが大事です。ノウハウではなく、ノウホワイからしっかりお話ししたいです」と、Chefのトレーニング講師として重視していることを改めて強調した。そして最後に「インフラエンジニアとして頼れる存在をいっしょに目指しましょう!」というメッセージで今回の体験講習を締めくくった。

富士通ラーニングメディア ナレッジサービス事業本部 第二ラーニングサービス部 萬尚樹氏

萬尚樹(よろず なおき)

株式会社富士通ラーニングメディア
ナレッジサービス事業部 第二ラーニングサービス部

2007年に富士通ラーニングメディアに入社。UNIX/Linuxのサーバ構築のコース、特にSolarisの構築や運用のコースを担当した後、VMware認定講師の資格を取得。現在はVMwareのコースを主に担当。その他、OpenStackやDocker、Chefといった、DevOpsやInfrastructure as Codeに関連する研修にも携わる。

もっと詳しく知りたい方はこちらへ!

「Chefで学ぶインフラコード化入門」コースのご紹介を、富士通ラーニングメディアのWebサイトで行っています。お気軽にご覧ください。



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著者プロフィール

  • 市古 明典(資格Zine編集長)(イチゴ アキノリ)

    うさぎ化してますが、1972年の子年生まれ。宝飾店の売り子、辞書専門編集プロダクションの編集者(兼MS Access担当)を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。資格学習書と開発者向けWebメディア両方の経験を活かして、ITエンジニアのスキルアップを支援できればと思い「資格Zine」を立ち上げた。なお、9月から翌年2月まではNFL観戦のため、常時寝不足。

  • 加山 恵美(カヤマ エミ)

    フリーランスライター。茨城大学理学部卒。金融機関のシステム子会社でシステムエンジニアを経験した後にIT系のライターとして独立。エンジニア視点で記事を提供していきたい。EnterpriseZine/DB Onlineの取材・記事や、EnterpriseZine/Security Onlineキュレーターも担当しています。 Webサイト:http://emiekayama.net

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