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グループ関数の使用による集計データのレポート

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林 優子[著]
2016/06/28 14:00

 SQLの関数は大きく「単一行関数」と「グループ(集約)関数」の2つに分類できます。本連載の第3回、第4回で学習した単一行関数は、12c SQL基礎[12c SQL]試験のあらゆる出題カテゴリに登場します。 また、今回取り上げるグループ関数も、副問合せと組み合わせて出題されるなど、登場回数が多い傾向にあります。つまり、合格を勝ち取るために「関数を侮るなかれ!」です。

グループ処理とグループ関数

単一行関数は図1のとおり、1つの行の値をもとに1つの値を返します。

図1:単一行関数
図1:単一行関数

一方、グループ関数は図2のとおり、複数の行の値をもとに1つの値を返します。

図2:グループ関数
図2:グループ関数

主なグループ関数は、表1のとおりです。

表1:主なグループ関数
関数 説明
AVG(列) 列の平均値
COUNT(列) 列の値がNULL以外の行数
MAX(列) 列の最大値
MIN(列) 列の最小値
SUM(列) 列の合計値

図2からわかるようにグループ関数が戻す値は1つなので、SELECT句において、グループ関数と複数の値を返す列を並べて記述することはできません。つまり、実行例1はエラーになります。

実行例1
SQL> SELECT last_name,AVG(salary) FROM employees;
SELECT last_name,AVG(salary) FROM employees
       *
行1でエラーが発生しました。:
ORA-00937: 単一グループのグループ関数ではありません。

バラして実行してみるとわかりますが、「SELECT last_name FROM employees」は全従業員(employees)の、それぞれの名前(last_name)が返されます。

SQL> SELECT last_name FROM employees;

LAST_NAME
---------------
Abel
Ande
Atkinson
Austin
Baer
(途中省略)
Walsh
Weiss
Whalen
Zlotkey

107行が選択されました。

しかし、「SELECT AVG(salary) FROM employees」は、全従業員(employees)の唯一の平均給与(AVG(salary))が返されます。

SQL> SELECT AVG(salary) FROM employees;

AVG(SALARY)
-----------
 6461.83178

複数行分の値と1行分の値を同時に表示してくれとお願いしても、「無理!(単一グループのグループ関数ではありません)」と言われて当然です。

問1

次のSQL文を確認してください。

SELECT promo_name,MAX(promo_cost)
FROM   promotions
WHERE  PROMO_BEGIN_DATE BETWEEN TO_DATE('20000101','YYYYMMDD') 
                        AND TO_DATE('20001231','YYYYMMDD');

2000年の上半期に開始されたプロモーションの中で、最もコストをかけているプロモーションの名前と金額を求める必要があります。この問合せを実行するとどのような結果になりますか。

  • a. 正常に実行される
  • b. グループ関数が使用されているSQL文において条件付けする場合は、HAVING句を使用しなければいけないためエラーになる
  • c. 集約関数を使用する場合は、GROUP BY句が必要なためためエラーになる
  • d. SELECT句にグループ処理されないpromo_nameが記述されているためエラーになる

前述の実行例1を理解していれば、正解は選択肢dであることはすぐにわかったことでしょう。

グループ関数は、複数の行を1つのグループとして処理することができる関数ですが、GROUP BY句が必ず必要というわけではありません(選択肢cは不正解)。問題1のように、GROUP BY句が使用されていなくても、WHERE句の条件を満たすすべての行を1つのグループとして処理できます。

また、グループ関数の結果に対する条件付けはHAVING句で行わなければいけませんが、通常の列に対して行う、処理対象を絞り込むための条件はWHERE句で記述できます(選択肢bは不正解)。

グループ処理単位(GROUP BY句に記述)にグループ関数の結果を表示することはできますが、グループ処理単位ではない列(GROUP BY句に記述していない列)と、グループ関数の結果を同一行で表示することはできません。つまり、GROUP BY句に記載した列はSELECT句に記述できますが、GROUP BY句に記載していない列はSELECT句に記述できません(エラーになります)。グループ関数を使用するときには、この点に注意する必要があります。

【重要】グループ関数を使用するときの注意点

グループ関数を使用しているとき、次の句に指定できるのは、グループ関数またはGROUP BY句で指定した列に限られます。

  • SELECT
  • HAVING
  • ORDER BY

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著者プロフィール

  • 林 優子(ハヤシ ユウコ)

    日本オラクル株式会社の教育ビジネスのスタートアップを全面的に支援し、バージョン5の頃からOracleに携わるベテラン講師として知る人も多い。Oracle認定講師を表彰するExcellent Instructorを連続受賞。1ランク上のITスペシャリスト育成を目標に、データベース分野にとどまらず「プレゼンテーション」、「ロジカルシンキング」などのトレーニングも手がけている。著書に『オラクルマスター教科書』シリーズ(翔泳社)、『プロとしてのデータモデリング入門』(SBクリエイティブ)など。その他、雑誌執筆、著書・メディア出演も多数。

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